✻ Pixel Garage
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始動
EP. 05

ドアの内側はタイムカプセルだった。ほこりの積もったシート、古い車の匂い、そしてダッシュボードの奥で瞬くスパーク。

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二人はそっと乗り込んだ。シートがぽふっ — と、十年分のほこりを吐き出した。

その時ラジオがザザッと、ひとりでについた。十年前のCMが流れ出した。

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··
♪ RADIO — 10 YEARS AGO

10年ぶりの乗車

スパークの光が急に逆立った。

今度は空をさまよわなかった。残留熱信号が記録された地点 — ガレージへ、一直線に降りてきていた。

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15%20%5%

「ゆっくり」の時代が、終わった。

⚠ INBOUND — DIRECT

再訪問 — 二日早く

DASHBOARD ─ TERMINAL
> 急速注入開始 — 蓄電池全量
> 充電 20% → ▃▃▃▅▅▃▇▅▅██▇▃▃▃ 38%
⚠ 配給網異常検知 — 信号露出

後戻りできない充電

カチッ。カチッ。そして —

駆動モーターが、十年ぶりに吠えた。

ヘッドライトがハイビームで点き、ダッシュボード全体に灯りが入った。ガレージが真昼のように明るくなった。

ドアがひとりでに閉まった。ボルトが、スタートラインに立った。

始動

ガレージの扉を押し開けて、ボルトが路地に飛び出した。外れた赤いスキャン光が壁を切り裂いた。

ドローンが追ってきた。路地は狭く、ボルトは大きく、ハンドルは — 誰も握っていなかった。

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! !

! !

ボルトが身をひねるたび、ドットはシートに叩きつけられた。

! !

ドローンのスキャン光がリアガラスをかすめた瞬間 — ビットが叫んだ。

! !

ボルトは廃高架下の闇へと滑り込んだ。赤い点が、頭上を通り過ぎていった。

! !

路地のチェイス

廃トンネルの中。モーターの音が静まり、闇と静寂だけが残った。

バッテリー8%。またどん底だった。でも、誰も後悔していなかった。

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笑い声がはじけた。十年ぶりに走った車の中で。

▢ BATTERY 8%

廃トンネルの静寂

GRID TOWER ─ MONITOR
> 映像確保 — 対象実在確認
> 車種: 旧型EV · 白
> 最終位置: セクター7境界 — 信号消失
> 命令: 全ドローン、セクター7に集結。

タワー — 確認

タワー。スクリーンには逃走する白い車の残像が繰り返し再生されていた。

赤い目が、ゆっくりと大きくなった。

夏休み四日目。

そしてこれが — ボルトの、十年ぶりの外出だった。

🔊 オーディオで聴く

このページのキャラクター — ガレージセール

ビット
中3 · 路地ナビゲーター
ステッカーパック準備中
ドット
高1 · 「お姉さん」1回確保
ステッカーパック準備中
ボルト
10年無事故 · バッテリー8%
ステッカーパック準備中
スパーク
操縦係 · 記録係
ステッカーパック準備中
EP.06 —「家出たち」を読む →

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